介護と成年後見制度

4.認知症の再判定

私は東京に住んでいて、両親は他県に住んでいます。

それも近隣の県ではないので、家庭裁判所に出向くためには予め有休をとって

仕事の段取りをやりくりしながらという状況でした。

まず、インターネットで申立に必要な情報を調べたものの、どうもわかりにくい。

手続きに関して、家庭裁判所に直接電話をして質問をしました。

何回か電話で質問して説明(回答)していただいたものの、どうもお互いに

しっくりこなかったこともあり、直接会って相談する機会をいただきました。

これは、地方の家庭裁判所だからできたことかもしれません。

都会では、いちいち個別に対応してくれないのではないでしょうか。

両親の通帳や父親に出した手紙など、いくつかの書類を準備して相談に行きました。

両親の状況、介護のために私が東京から通っていることなどを説明して、

申立の事前の相談が終わりました。

申請書類や申立について注意事項を聞いたものの、担当官もやや不慣れな様子でした。

2回目以降は、事務方の書記官が窓口となり手続きが進んでいきました。

まず、30分程度のビデオ学習から始まります。

ある家族の物語を通して、成年後見制度の概要を理解をするのが目的です。

ここまでは、

本人(被後見人)の財産を適正に管理するということが理解できさえすれば、

難しいことは何もありません。

しかし、この後の実際の手続きでは、申立する側からするといかにも

お役所的な対応が続いて、いったいどうなっているんだという思いがありました。

私は、母親と父親の成年後見人の申立を同時にしました。

成年後見人の申立では、まず本人の認知症の程度を主治医あるいは精神科医に

診断してもらわなければなりません。

母親は他人が見ても明らかに認知症だとわかる症状でした。

生年月日など簡単な質問にも答えられないので、主治医からの診断書もすんなりと

裁判所は受理してくれて、成年後見人の審理が始まりました。

母親は財産も持っていないので審判はひと月かかりませんでした。

=父親の認知症の再診断と高額な診断費用=

ところが、父親は母親のようにすんなりと進みませんでした。

父親の認知症の診断書は、成年後見人が必要かどうかぎりぎりのラインなので、

裁判所が指定した医師に再度認知症の診断してもらう必要があると通告されました。

認知症の程度がぎりぎりだろうが、大幅にクリアしていようが、

認知症と認められれば申立ができるということではないんですか、

と食い下がりました。

さらに、認知症は進行していくものなので、

ぎりぎりということは、これからは後見人が必要ということになりませんか、

と書記官に詰め寄りました。

お役所のひとが、そうですね、

というはずもないのですが、言わなければ気持ちがおさまりませんでした。

私の中では、もう以前の父親とは明らかに違うし、なにしろ早く介護費用の

心配をなくして、両親の介護をせいいっぱいしたかったからです。

結局、裁判所が指定した医者に診断してもらわないとこれ以上何も進まないので、

裁判所の指示に従うことにしました。

次に、診断料は実費で15万円~20万円かかります、と言われてびっくりしました。

どうして、両親の介護に必要な費用を本人たちの口座から引き出したいだけなのに、

高額な診断費用を拠出しなければならないのかと、と腹立たしい気持ちになりました。

母親ほどではないにしろ、

明らかに父親は現実と夢の区別もつかないようなことを口走っていたので、

だんだんやりきれない気持ちになりました。

成年後見制度の理念は、本人保護の理念を源としているのではないのか?

十分な介護ができず手遅れになったらどうするんだ!とこの制度を逆恨みしそうになりました。

5.成年後見人と保佐人の違い に続く

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