両親が入院してしまい、二人の介護には相当なお金が必要になります。
必然的に、両親の年金と預貯金をベースに、不足分は私が補助していくことになります。
両親の年金は銀行口座に振り込まれるので、入院費の支払いには現金の引き出しが必要です。
しかし、父親はキャッシュカードを作っていませんでした。
父親が倒れる前に、銀行の相談窓口で、高齢で委任状もまともに書けない父親の代わりに、
息子の私が預金を引き出せるかと相談したことがありました。いくら両親の介護のためでも、
委任状もなくて本人以外が窓口で現金を引き出すことはできないとのことでした。
なんとかなりませんかと泣きついたら、
身内の方なら裁判所に成年後見人の申請をして受理されれば、いつでも預金が引き出せます、
とのこと。申請さえすれば簡単に成年後見人になれますよ、という感じの説明だったので、
私は簡単に成年後見人になれると思いこんでしまい、その時が来たら申し込もうと考えていました。
しかし、それは大きな間違いでした。
成年後見人の審理は事件と同じ扱い?
成年後見人になるには、家庭裁判所に申立てをして審判を受けなければなりません。
申立をしてから審判が下されるまでには、いろいろなことがありました。
ここからは、私が体験した2014年当時のことを思い出しながら書きます。
1)申請書の様式が家庭裁判所ごとにちょっと違うのはなぜ
成年後見人制度をネットで調べていると、
申請に必要な書類の様式が、各家庭裁判所で異なることに気づきます。
家庭裁判所ごとに微妙にフォーマットが違うのです。
審査書類の様式が全国一律でないのはどうしてなのでしょう。
様式が違ったら、審判のしかたに影響があるのではと疑問がわきました。
2)申請書類のダウンロード形式が家庭裁判所ごとに違うのはなぜ
申立に必要な書類は各家庭裁判所のホームページからダウンロードできます。
申請書類がWordやExcelのものは、パソコンで入力できるのでとても便利です。
しかし、PDF形式のものは、用紙を印刷してから手書きで記入しなければならず、
はっきり言って不便です。
書類は複数あり、
項目数も多く誤字脱字、誤記入がないように記入するのはかなり神経を使います。
また、記入欄も小さくてとても書きづらいものもありました。
私は手書きで何回も書き損じたので、裁判所と交渉して、
自分でWordで申請用紙と同じフォーマットを作って提出しました。
法律や制度は国民のためにあるにに、どうしてサービス形態が違うのでしょう。
3)成年後見人の申立をすると事件番号が振られる
成年後見人の申立をすると、
家庭裁判所で申立人が成年後見人としてふさわしいかどうか裁判になります。
ひとつの事件として、平成〇〇年(家)第×××号と事件の表示がされます。
これは一般人の感覚からするとかなりショックです。
悪いことをして裁判にかけられているような、あまりいい気持ちではありません。
市役所や区役所で、何らかの申請をするのと同じ感覚だった私にはかなりショックでした。
4)地域によっては、審判がでるまでにかなり時間がかかる
都会の家庭裁判所は扱う事件数も多いので、成年後見人の申立が受理されてから
審判が確定するまで半年以上かかることも珍しくないそうです。
私は地方の家庭裁判所でしたが、母親の成年後見人の判決はおよそ1カ月、
父親の成年後見保佐の最初の審判が出るまで2ヵ月ほどかかりました。
その間は、なんとか家計をやりくりして両親の介護をしていくのに必死でした。
この記事へのコメントはありません。