私が早稲田の赤黒にあこがれたのは、もう45年以上も前のことだ。炎のタックルマン石塚キャプテンの早稲田が、北島監督率いる重量戦車フォワードの明治大学に戦いを挑む。戦前の下馬評は明治が圧倒的有利だったがゴールラインを割らせない。そして、数少ないチャンスを活かしてトライをとる。大相撲でいえば、初代貴乃花が北の海に真っ向勝負を挑んで逆転勝ちで国技館に座布団が舞う!といったのと同じ興奮だった。判官びいきがそのまま当てはまる伝統の一戦だった。
早稲田大学ラグビー部は今期100周年を迎えた。
2年前に「BE CHAIN」のスローガンのもと新ユニフォームが作られたのだが、私にはこのユニフォームは正直ショックだった。
伝統校のジャージには選手はもちろん応援しているファンの様々な思いが込められていると思う。慶応のタイガーチャージ、明治の紫紺のジャージ、早稲田の赤黒だったのに。新ジャージは赤黒からはだいぶイメージが離れていた。山下監督のもと様々な改革がなされたけれど、新ジャージのデザインはしっくりこなかった。しかし、今期は早稲田の原点ともいえる伝統の赤黒ジャージが復活。私のようなOLD RUGBY ファンには素直にうれしい。
今期の開幕戦は筑波大学。筑波大学は対抗戦グループの強豪で侮れない。今期の早稲田ラグビーの展望を計るうえでも負けられない相手だ。当然応援にも力が入る。グランド(三郷)は強風でボールコントロールが難しいと思われたが、ハンドリングエラーも少なく、何よりもディフェンスからの切り返しが素早くて次々とトライを重ねていく。バックスのパススピードが速いのとフォワードのボールへの寄りが速いのでゲインラインをしっかり切れる。また、タックルの後の立ち上がりが素早い。これも伝統のジャージの力なのか、と思わせるような圧倒的な勝利だった。
帝京大学の10連覇を止めるのは、どこの大学か。
今期の大学ラグビーは、エキサイティングだ。
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