介護と成年後見制度

6.親族の同意と本人の財産把握

四親等の親族に連絡をする

みなさんは、四親等の親族とふだんから付き合いがありますか?
ふだんからの付き合いが多少なりとでもないと、成年後見制度の
申立をするときにちょっと大変だと思います。

成年後見人になるには、四親等の身内にその旨を伝えて
了承をえなければなりません。

両親の兄弟が多かったり、いとこが多かったり、

自分の兄弟が多かったり、子供や孫がいたりすると

四親等を図で表すのも大変です。

人数が多いと、場合によっては連絡先が不明な親族もいると思います。

父親は一人っ子

母親は6人兄弟

私は一人っ子で、父親と母親の両親はずいぶん前に亡くなっています。

四親等の親族を把握して、両親の状態や後見人制度について

叔父、叔母らに説明して理解してもらうのには時間がかかりました。

兄弟や親せきが多いと四親等の身内に説明するのは大変だと思います。

場合によっては、親族の誰かが反対したり、他の親族の誰かが後見人になると

言い出すこともあると思います。そして、四親等の身内がみんな仲が良いともかぎりません。

親の財産を全て把握するために家探し

通帳、有価証券、保険の有無、不動産、その他・・・。

親の財産をしっかりと把握しておくのは、かなり難しいと思います。

両親と終活について話し合ったり、兄弟の中で両親に万一なにかあったときのことを
話し合っていないと、介護も財産問題もシビアな局面を迎えることがあります。

私は、通帳のありかも、実印や銀行印がどこにあるのかも

なにもわからず、家じゅうをくまなく探すはめになりました。

金庫に大切なものを保管している場合など、金庫の鍵がないと

業者に頼んで解錠してもらわなければなりません。

思いがけないところに、大切なもの(財産とは限りません)が

保管されていたりするので、くまなく家じゅうを探しましょう。

銀行の貸金庫に保管していることもありますから。

収支の流れから、年間の収支計画をたてる

同居していない場合、これらをまとめるのはけっこう大変な作業です。

なにしろ、本人に聞いても認知症だと会話が成立しませんから。

私の父親も倒れてからは、会話がうまく成立しないことが多くなり

どこに何があるのかを本人から聞き出すことができませんでした。

幸いにして、父親はまめにいろんな書類をファイリングしていたので

それをもとに、収支の流れをまとめました。

申立人の財産状況も提出しなければならない

申立人の資産状況も正直に提出しなければなりません。

借入があると、そのことが書記官の心理状況になんらかの影響を与えるようです。

私は住宅ローンが借入となっていました。

住宅をキャッシュで買えるひとなど、そうそういないと思うのですが…。

ある日書記官から連絡があり、その確認内容に異議と自分の思いを訴えていたとき、
「だって申立人には借金があるじゃないですか」と書記官に言われました。

借金があるから、両親の財産をかってに使い込む危険性があなたにはある。

という意味合いのことを言われて腹が立ちました。

仮にそんなことをしたら、すぐばれると思いませんか。

あなたには借金があるので、後見人になれません=信用できません、

と言われたらどんな気分になるでしょう。

親の介護のために申告しているのに、
あからさまに犯罪者にたいするような口の利き方をされるとは思いませんでした。

私は、のんびり屋さんでどちらかというと内弁慶で臆病なタイプなのですが
さすがにカチン!ときて、ものすごい勢いで

「どういう意味ですか、なにが言いたいんですか」と言い返しました。

どういう意図があってそんな無礼なことを言われなければならないのでしょう。
結局、成年後見人の申立事由はあまり重要な意味はないのだとわかりました。

本人に代わって財産を扱える許可を与えてもいいかどうか、それを確認するためには、
申立人の全てのことを疑ってかかる、ということなのでしょう。
そして、もう疑うことがなという状態でなければ希望する審判はおりないのでしょう。

申立をしている私の気持ちは、介護をするために成年後見人として認めてほしい。
東京から通いながら、できる限りの介護をしたいという善意の気持ちを、どうして
踏みにじるようなことを言われたり、正直に提出資料を作成しているのに、
なぜ疑いの目で見られなければならないのか、という憤りを感じることがたびたびありました。

ただ、裁判所というところはそういうところだ、ともしわかっていれば、私も違った感情に
なったかもしれません。淡々と質問されたことに答えればいいだけなのです。
私は両親の介護をしたいという気持ちを、どうして裁判所にいる人たちはじゃまするのか
という感情が差先走っていたと思います。今月の介護、来月以降の介護費用をどうしよう
という切迫感があったからです。

成年後見制度について裁判所でビデオ学習しますが、実際の手続きはビデオのように
簡単ではありません。そして、この制度は財産保全を目的としているので、
私のように急に介護費用が必要になって、どうにか早く許可してほしいと切羽つまった
状況ではじれったい気持ちが先にたって、裁判所に逆切れするかもしれません。
でも、冷静に対応しましょう。人情に訴えてもそれが通るところではありません(笑)
一つ一つ落ち着いて対応するのが一番です。私は遠方に住んでいたので裁判所にすぐ
行けなかったということもあったので、何回もやりとりするのがいろんな面で負担に

感じていたのも事実です。この記事を読んだみなさんは、何しろ落ち着いて気持ちを高ぶらせる
ことがないようにしましょう。

7.保佐監督人とは に続く

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