◆捨て寸ってなんだろう
靴を買うときに捨て寸が大切、
つま先に1㎝~1.5㎝の余裕があること、
踵に指が一本分入るくらいの余裕があること、
などと言われたことはありませんか?
もしあなたが、ランニングシューズを買うときに、
「足のサイズは?」と聞かれて、
普段履きのシューズのサイズを答えたらどうなるでしょう。
単純に捨て寸を加味する店員さんだったら、
普段履きのサイズ+1㎝~1.5㎝を持ってきます。
普段履きが26.5㎝なら27.5㎝~28.0㎝のシューズです。
「どうですか?」と聞かれて、
「あっ、楽でいいです。履きやすいです。」と答えて
そのシューズを買ったら、
後々足に故障が発症したり、パフォーマンスがあがらない、
というリスクを背負うことになります(えっ、どうして?)。
足の骨の数は26個あります。
その一つ一つの骨の役割や、歩行時の足のしくみ、
骨の動きがよくわからなくても、
捨て寸は1㎝~1.5㎝必要!と思い込んでいませんか?
◆捨て寸や足のサイズに関するバズワード
一日の中で足のサイズは変化する。
浮腫んだり、疲れでアーチが下がったりする。
朝と夕方ではサイズが違う、だから靴は午後に買わないとダメ。
一見もっともらしい理由に聞こえます。
そして、歩くとき足は靴の中でズレるから捨て寸は必要。
捨て寸がないと指が痛くなったり外反母趾になる。
などと言われます。
故障や病気になると言われたら…やっぱり怖いです。
◆なぜ捨て寸=1㎝~1.5㎝なのか
靴屋さんでもスポーツ店でも、
ジャストサイズが何か具体的な説明がないまま
「窮屈ではないですか、履き心地はいいですか、
つま先に余裕はありますか」と店員さんに聞かれます。
履いていたらだんだん足が痛くなった!
というお客様のクレームは避けたいので、
ちょっと大きい程度なら
厚手のソックスで調整したり、中敷きをかえたり、
子供用ならすぐ大きくなりますから
つま先に綿を詰めてみましょう、などなど
あの手この手で説得してくれます(笑)
そして、お客さんは
前述のような説明を靴を買うたびに受けているので、
締め付け感のない
窮屈と感じないものを選ぶようになります。
その結果、ちょうどいいという感覚=靴に締め付けられない、
指が自由に動く隙間がある、ゆったりしている
というのが「靴を選ぶ基準」になったと思います。
余裕があって締め付け感がないものを選ぶのが正しいことで、
その目安が捨て寸1~1.5㎝という説明に置き換わります。
市販のシューズは0.5㎝刻みにサイズアップするので
捨て寸もその倍数で1~1.5㎝ということになるわけです。
この基準には落とし穴があると思います。
それは自分で試し履きしたときの足の感覚をもとに
フィットしていると判断するのではなくて、
つま先に指一本分の余裕があるからちょうどいい(^^♪
と思い込んでしまうことです。
◆足とランニングシューズの機能が活かされるサイズ
インソールで足底筋膜炎が改善されるか
「BMZ TOKYOスタジオ」相談に行ったときのことです。
シューズのサイズ選びについて大切なことを教わりました。
まず、3次元足型計測装置を使って左右の足を実測したら
左263㎜、右258㎜でした。
持参したシュ―ズはNIKEのリアクト とペガサス37で
いずれもUSサイズで10(28㎝)です。
しかし、なんと
このシューズで使用するインソールは作らない方がいい、
と言われました(えっ、え~マジですか?)
何故なら、足の屈折する位置とシューズの折れ曲がる位置が
マッチしていない(ズレが大きい)からです。
このシューズ用に作ってもインソールが足の機能改善に役立たず
ただの高価な中敷きになってしまう、という残念な結果でした。
足底筋膜炎を改善させるには、
ジャストサイズのシューズをお持ちくださいとのこと(゚Д゚)ノ
足の骨の構造と動きを理解すれば、ランニングシューズは
ジャストサイズを選ぶ必要があるということでした。
サイズが合わないと足とシューズがケンカして故障を発症します。
そして、ランニングシューズの機能が活かされなければ、
パフォーマンスの向上にもつながりません。
まず実測値に近いサイズで
しっかり踵であわせてつま先を上げて試し履きして、
指が圧迫されたり、折り曲げないで履けるシューズが
ジャストサイズということでした(なるほどー)。
「私たちは足の機能改善を目的としてインソールを提供しているので、
足のサイズと合わないサイズのシューズのインソールは提供しません。」
ということでした。
なるほど、足の機能を熟知しているからこそ言えることです(納得です)。
◆ランニングシューズのサイズ表記について
多くのランニングシューズは、
表記サイズ+ある程度の捨て寸を含んで作られています。
インソールを取り出して実際に計測してみましょう。
きっと表記サイズより少し長めに作られていると思います。
ですから、サイズ表記に捨て寸1~1.5㎝を加味したものを
選ぶとかなりゆとりのあるサイズを買ってしまうことになります。
つまり、私の場合だと実測値が263㎜でしたから、
JISの26.5㎝をまず履いてみなさいということです。
思い返すと、アシックスの「ASICS FOOT ID」で測定しとき
シューズサイズはJISで左26.5D、右26.0Eと記録されていました。
その時は、確かに26.5㎝のシューズを購入していました。
ランニングシューズは速く走るためのものです。
フィット感もしっかりして、シューズの中で足がずれないように
作られているはずです。そうでないと意味がありませんよねー。
まず実測値に一番近いサイズを手に取りましょう。
最初から捨て寸を意識しすぎて、
足長より大きいものから試し履きするのはやめましょう。
大きいサイズから小さいサイズに戻して試し履きすると
大きいサイズの方が履きやすいと思ってしまいます。
ランニングシューズを普段履きの靴のように
履きやすいということを基準に選んでしまうのは間違いです。
ケガや故障を防ぐためにもっ目的にあったシューズを選んで、
しっかり試し履きをしましょう。
◆参考◆
ランニングシューズのサイズの選び方で参考になったブログを紹介します。
静岡トレイル・ランニング・サークル(静トレ)
ランニングシューズの選び方・履き方・ヒモの結び方①~④
アイキャッチ画像はNIKE ZOOM FLY (US10)のインソールです。
実測値は28.5㎝ありました。
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